1か所のはずの接触を2か所に感じる。これはシンプルに、それぞれを知覚するものが別々に存在しているからです。
あなたが、自分の指先で、自分自身のどこかに触れたとすれば、感覚は1つですね? これは触った感覚と、触られた感覚を脳が同じものとして1つにまとめているからです。このように同じ場所で同時に刺激があれば、本来2つの感覚が1つに感じられるということは、珍しくありません。ただ、これが2つの感覚であると、分解して確認するのは簡単です。例えば、指先を氷などで冷やした上で、どこかに触れれば、指先にはしっかり感覚があるし、同時に触れられたほうは冷たいと感じるはずです。
一方で、あなたのオーブの触手があなた自分に触れる時の感じは、これとは少し違います。完全に別の場所の2つの感覚のように感じるからです。これは前にもお話ししたようにオーブの触手は1本1本が身体のどこかの部分に対応しているため、触手で感じる場所と、その触手の触れた場所が同じではないからです。こうして触れた場所と、触れられた場所、それぞれに感覚が生じます。ただ・・・そうだったとしても、その2つの感覚の1つは、オーブから脳へ、もう1つは脳からオーブへ送られ、2つのシグナルは同期されるはずです。これは脱線の中でお話しした通りです。では、脳がふだんしているのと同じように2つの感覚を1つにまとめることはできないのでしょうか? なぜ脳は、この2つの感覚を「全く別なもの」「2度の接触」しかも「触られた」と感じるのでしょう。あくまで自分自身のしていることなのに・・・です。
実は、この答えは、僕があと1つ。まだちゃんとご説明していないことにあります。僕は、脳とオーブの感覚の同期を「リアルタイムに」行われる・・・とお話ししました。でも実は、これは正しくありません。正確には、「ほぼリアルタイム」というべきでした。脳とオーブの感覚の同期には、ごくわずかですが、タイムラグがあります。おそらく1秒の数分の1にも満たない、ごく短い時間。でも脳にはちゃんと区別できる程度の時間差がある。この結果、本来同時に起こったはずの現象が、別々に感じられるのです。しかも感じる主体は別々。それが脳の中に同期されて集まる。これがオーブの触手が自分に触れると、2か所に感覚があって・・・しかも自分が触れたのではない。と感じてしまう原因だと僕は思います。
これだけのことをお話しするために、ずいぶん遠回りしてしまいましたね。でも、お許しください、このようにオーブと脳の間のやりとりに、物理的に時間がかかることを直接感じ取れる経験は、あまり多くはないのです。でもこのわずかな時間差の存在は、前回お話しした、オーブの無意識以外の感覚も含め、後々で、もっと大きなテーマにつながっていくことになります。きっと驚きます。どうぞ楽しみにしていてください。