心霊手術で大金を稼ぐ流れ者・・・曽祖父の話。

僕の曽祖父は、謎だらけの人物です。

 

道路が各段に整備された今でも近くの町から車で1時間はかかる、かなり山深い集落で暮らしていました。でも、そもそも彼は、その土地の人間ではなく、どこからともなくやってきた「流れ者の『博徒』」でした。集落の人々からはあまりいい印象を持たれていなかったようです。「博徒」という言い方は、ばくち打ち・・・今で言うとギャンブラーという意味で、あまり好意的とは言えない表現ですが、村人たちは実際に曽祖父を陰でそう呼んでいたそうです。

 

その一方で、彼は超有名な大名家の家紋がついたりっぱな漆器の調度品を一式持っており、それを人に見せては「自分の家は武家で、この品は仕えていた殿様からもらったものだ。」と、話していたようです。
曽祖父ですから、当然、僕の家のご先祖様なのですが、彼がいったいどこで生まれ、この集落に現れるまで、どこでどうしていた人なのかわかりません。残っている役所の記録はまるで信用できず、本人も元は武家の出という以外、何も語らなかったので、今も謎のままです。

 

唯一わかっていることは、彼は心霊手術を行うことができる超能力者でした。