オーブの通り道。

オーブの移動で一番興味深いのは、なんといっても、その通り道。移動の経路です。

 

オーブは、建物の中を移動する場合、たいていは室内の障害物を迂回するように移動します。例えば隣の部屋に移動するときにはドアや障子など、人の通れるような通路のある場所を通るし、上下の階に移動する場合は、わざわざ階段やエスカレーターのある場所まで行って、あたかも歩いて階段を上り下りするかのように移動します。いくつもの階を上下するときは、現代の霊なら、タイミングによってはエレベーターに乗ることすらあります。

 

しかし、その一方で、オーブはまた、一般的な常識とは、かけ離れた移動を行うこともあります。ホラー映画でゴーストが壁をすり抜けてくるシーンはおなじみですが、実際のオーブにも、それと同様のことが可能で、壁や物を突き抜けたり、天井や床を突き抜けて上や下に移動することがあります。

一旦、このような移動をはじめたオーブは、三次元的な物体や方向に一切とらわれることなく移動しつづけます。

木製の家具でも金属のキャビネットでもコンクリートの壁でも水中・・・たとえば水槽や、水のたまったバスタブや、動いている洗濯機なども完全に無視し、減速することもなく、まるでそこに何もないかのように突き抜けていきます。もちろん通過された家具や壁に穴などあきません。オーブは単に通過するだけです。

 

どうしてこんなことが可能なのかは、あとでゆっくり考えることにします。このことはオーブ・・・つまり霊達が本来どんな場所にいるものなのか。言い換えると、霊たちの世界がどこにあるのかを示していると思うからです。