霊能者さんの困った義務感。

霊感のある人達にとって、霊の姿を見ることは日常です。しかも見える霊達の姿は、自由に動き、表情もあって、まるで生きた人間のようであることが多い。僕自身も毎日経験していますから間違いありません。一方、霊たちは、ほとんどの場合、その人に霊感があるかどうかわかるので、霊感がある相手に対しては、わざわざ物理的な像を作らない。それでも多くの霊能者にはちゃんと見える。もう少し先で、詳しく説明することになりますが、これが「霊感」といわれる能力の1つの特徴です。

でも物理的でないもの、霊感でしか見えないものは、写真や動画には写りません。

 

では霊達は何のために物理的な像を作るのでしょうか? 元々、霊が像を作るようになった元々の理由は、別にある・・・と僕は思っているのですが、それはちょっと置いて、今、現在で考えると、霊が映像を作る主な目的は「霊感のない人」つまり「肉眼」でしかものが見えない人達に自分の姿を見せるため・・・だと思います。そして、その映像は結果的にカメラやスマホを向ければ、写真や動画として写る。というわけです。

 

問題は、このことをちゃんと理解し、認識している霊能者が驚くほど少ないということです。僕も多くの霊能者さんたちとこの話をしてきましたが、「今、自分が見ている霊の姿は映像に写るだろうか?」なんてことを、いちいち意識したり考えたりする方は、まずいません。それどころか、そもそも霊には陳腐で粗雑な映像しか作れないということを、知らない、気づいていない霊能者さんがほとんどです。この結果、霊能者が「心霊映像」を見たとき、それが霊の作る物理像としてあり得ないものであっても、「自分がいつも見ている霊達の姿とかわらない」ので違和感を感じない。こうして偽物の映像をスルーしてしてしまうのだと思います。

 

さらに、もっと困った人達もいます。僕が以前出会った、ある霊能者さんは、霊の作る像と自分に見えるものに差があることをちゃんと認識していました。その上で、「霊感があると霊はこんなふうに見える。」ということを映像化・・・つまり、精巧な偽物の心霊映像を作って、見えない人達に見せていました。この方には悪意はないと思いますが、実際、世の中にあふれる心霊映像の中には、「違いを認識している霊能者が作ったに違いない」と思える映像もたくさんあります。僕の出会った霊能者さんと同様に「皆に霊の姿を知ってほしい」という、ちょっと困った義務感を持ってしまった霊能者さんが、世界中に少なからずいるのかもしれません。