幼い僕の一人遊び。 (三)

僕がこんなことをはじめた、最初のきっかけになった出来事は、とてもよく覚えていて、祖母といっしょに商店街を歩いているとき、道端にうずくまった人の姿が「ピカ」っと見え、その人が大きな声で何かを言っている声が聞こえた。本当に突然だったので、とても驚いて祖母にそのことを話したのですが、祖母は怪訝な顔をするだけで全然とりあってくれない。でも、それから、毎日のように同じようなことが起こるようになり、やがて僕は、自分が感じ取れるのが、「少し前」の誰かの姿とその思いで、しかも僕にしかわからないことに気づいた。そのうちに、徐々に自分の感覚の操作に慣れ、同じ人の思考を探して次々に見つけていくことに熱中するようになった・・・というわけです。

 

知らない大人の怒りや悲しみを探し出して喜んでいるというのは、就学前の年齢の子供としては、相当に奇妙な遊びだと思いますが、当時の僕としては、本当に宝探し感覚だったのだと思います。ただ、こんなことをしていたおかげで、人の残した思い・・・いわゆる残留思念を読み取るのは、ずいぶんうまくなりました。おそらく霊感を使いこなすには、使い方を学ぶことが必要で、僕は偶然それをしていたのだと思います。

 

さて、残留思念が、実はどんなもので、人や霊達がそれをどんな目的でどう使い、また逆にどう読み取るのか。

この話題は、あなたにもとても興味深いと思います。こちらはいずれ本文の中で触れることにします。