僕は日本のある地方都市で生まれました。
その頃には、もうだいぶ寂れていましたが、昭和の終わりくらいまでは、活気があり、とても賑やかな町だったようです。
僕の家は、駅前の商店街にありました。既に半ばシャッターストリートでしたが、その中でも僕の家は人気の飲食店で、夜は酒も提供していたので、毎晩、作業着姿のおっちゃんたちで騒がしかったのを覚えています。
家族はみな店の仕事に忙しく、兄弟もおらず、近所に同年代の子もいなかったので、僕は昼も夜もいつもほとんど一人でした。小学校に入ってすぐ、駅前の再開発で店を閉めて引っ越すことになるまで、それが続きました。
そう。お気づきの通り、僕がその商店街にいたのは、とても幼い頃のほんの一時期だけです。
でも僕はその間にとても多くのことを経験し、学びました。そして今でもそれを鮮明に覚えています。
僕が、自分の能力を使って、最初に始めた「遊び」は、人の感情を拾い集めること・・・でした。