また話が長くなると申し訳ないので、ここは、ショートカットして、まず核心をお話ししましょう。
ということで、例えば、ここに、「怒りをあらわにした恐ろしい表情で撮影者に向かってゆっくり歩いてくる」霊の心霊動画があるとします。これは本物か?と問われたら・・・。さて、あなたはどう判断しますか?実際の映像を見なくちゃわからない? いいえ。実は、この説明だけで、僕は即答できます。その映像は偽物です。
理由は単純明解で『霊には絶対にそんな映像は作れないから』です。そう「作れない」んです。詳しいことは改めてご説明しますが、本物の心霊映像の最大のポイントは、霊が作れるものでなければ映像には映らない。これが絶対の原則です。
生きている人間が、「霊の演技をして」撮影された映像は、霊にはとても真似ができません。CG技術などを駆使して作られた迫真の映像ももちろんダメ。そもそも霊には、表情のある顔や、立体的に歩く動く人の姿を作ることさえできないのです。
「え?!そんな心霊映像いくらでもあるじゃないか?」って思いますよね。そうです。沢山あります。だから言います。それらは全て偽物です。
霊が作ることができる「本物」は、素人っぽくて、平面的で、ちゃちで、合成感丸出しの映像に限られます。おそらく偽物の映像を作っている皆さんには、それでは面白くないのでしょうが、精巧な映像を作れば作るほど、本物から遠ざかることになります。
もう1つ、この話に関連して、僕がとても嫌いな表現があります。それは心霊雑誌の記事や動画の説明などで、頻繁に使われる、「霊の姿が写り込んだ」「写り込んでしまった」という言い方です。あなたもきっと何度も聞いたり読んだりしたことがあるでしょう。
これは、映像を撮影していたら、そこにたまたま霊がいて、霊にはその気はないのに写ってしまった・・・というニュアンスに聞こえます。が、 これもはっきり断言します。霊は、霊自身が気づかないうちに偶然に映像に写りこんだりはしません。理由はさきほどと同じ。霊が映像に写るには、霊が自ら意図して写るものを「作る」必要があるからです。
霊にその気がないのに、何か形になったもの・・・たとえば手とか、足とか、目とか・・・が、映像に写ることは絶対にありません。
さて、では霊たちはいったいどうやって撮影可能な映像を作るのか・・・気になりませんか?
でも、それには、まだ少し知っておいていただきたいことがあります。
ということで、まずは、霊が「見える」ということから考えてみましょう。